よろこんで!**してみました。

アラフィフ男子が、何気ない日常生活で楽しいと思うことを、つれづれに書く雑記ブログ。美術・落語・スポーツ観戦・グルメ・お酒に旅行等々。たまには、なにか語ることもあるかも・・・

落語:落語会「四人廻しの会」に行ってみました。

さてさて、もう、二週間経ってしまいましたが、落語会「四人廻しの会」(よにんまわしのかい)に行ってきましたので、報告です。

 

[目次]

 

I. 落語会概要

(1) 日時

2018/7/17(火) 18:30開場、19:00開演(~21:10頃終了。開始一時間で10分ほど中入りあり)

開場15分前くらいに着きましたが既に先に来た人が荷物などを並べて入場の順番を確保していました。

 

(2) 場所

日暮里サニーホール

※ 日暮里駅から徒歩2分くらい。ホテルラングウッドの4階

     日暮里サニーホール 荒川区公式ホームページ

寄席のようなホールではなく、宴会場のような場所に高座が作られ、椅子が並べられていました。100席程度でしょうか。9割方は、お客さんは入っていました。

 

(3) チケット代と入手方法

前売2,300円、当日2,800円

※ 前売りで入手しました。前売りは予約専用番号090-8689-7893の留守電に氏名・枚数・連絡先電話番号を録音します。その後、折り返しで予約専用番号から電話があり、応答すると予約成立です。落語会当日、名前を言って予約枚数を受け取り、お金を支払います。(現金のみ。カード不可)

折り返しの電話に出られないと、再度、かかってこないと思われますので、注意です。  また、折り返しの電話がいつ掛かるかも分からないので、やはり注意です。(私の場合、日曜日の夜23:00頃留守電に録音したら、月曜日正午前に電話が来ました。あいにく電話に出られなかったので、再度、13:00頃録音すると1時間後くらいに折り返しの電話があり、電話に出て予約成立となりました

 

(4) プログラム(演者と演目)

・開口一番

(前座さん。お名前は忘れました。すみません。演目は「子ほめ」)

・入船亭扇好(いりふねていせんこう)師匠「壺算」

柳家三三(やなぎやさんざ)師匠 「鹿政談」

(中入り)

・三遊亭萬窓(さんゆうていまんそう)師匠 「締め込み」

桃月庵白酒(とうげつあんはくしゅ)師匠 「百川」

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(5) 落語会トピック

 この落語会は、チケット情報がぴあやイープラスなどには掲載されておらず、また、チケットもコンビニ等で買えません。演者のサイトで情報公開されているだけという、一般に公開されていないシークレットな感じの落語会です。(私が見る限り)

私は三遊亭萬窓師匠のスケジュールのサイトから知って、演者を見て、一度は来てみたいと思っていましたが、ようやく来ることができました。

会の話の中で柳家三三師匠が「この落語会は勉強会で、あまり普段はやらない話を取り上げている」ということを言われていましたが、だからこそ、普段聞けない話を聞ける貴重な機会だと思い、楽しんできました。

 

II. 所感

(1) 入船亭扇好(いりふねていせんこう)師匠「壺算」

「壺算」は、上方落語で演じられているのを何度が見たことがあります。

落語には多く登場する少々間の抜けた男が、壺が割れたので奥さんに言いつけられて壺を買いに行く。今度はサイズは二倍の壺を買うように言いつけられる。買い物に行くには買い物上手(ずる賢い?)友人と一緒に行くように申し付けられ、いざ、二人で買い物に。友人の巧みな話術とトリックで壺を安く手に入れようとするが、壺を売る店の主がなかなか納得できず、混迷の中に・・・

といったお話で、巧妙な話のトリック、壺屋の主と友達の掛け合い、そして主の混迷などが話の見どころです。

入船亭扇好師匠は、初めて拝見しました。枕では、人間国宝柳家小さん師匠との夏の成田山詣でのかき氷の思い出を語られていました。ほのぼのとしたエピソードで心も和らぎました。話も分かりやすく、姿が涼しげで粋な感じの師匠だと思いました。

 

(2) 柳家三三(やなぎやさんざ)師匠 「鹿政談」

「鹿政談」は、私も大好きな人情モノの噺です。

奈良の名物、春日大社の鹿。江戸時代は御神獣として禄高も授けられていました。それだけ大事にされていたので、もしも殺してしまうと死罪。まかり間違って家の前で鹿が死んでたら、どんな疑いをかけられるか。早起きして鹿が死んでないか確認をしないといけないから、奈良の名物が早起きになったとか。さて、ここに正直者で有名な豆腐屋さん。早朝から犬が商売ものの「きらず」(=関西弁。「おから」のこと)をムシャムシャ。追い払うため、薪を投げると当たりどころが悪く、犬は倒れて動かない。可哀想なことをしたと、近づいて見ると、なんと鹿!鹿殺しの罪で捕らえられた、あわれ豆腐屋さん。ここに名奉行・根岸肥前守が出てきて、どのような裁きをするか・・・

柳家三三師匠は、独演会などチケット入手が困難な人気者で、本当に上手いし、おもしろい!今回の鹿政談も、奉行の裁き、鹿のお目付け役とのやり取りのシーンで、魅せてくれました。豆腐屋さんを助けるべく鹿を見て、「これは犬」だという奉行、鹿に相違ないという鹿のお目付けの役人と僧侶、鹿が町できらずを食べるのは鹿の餌料で私腹を肥やすものがいるからではないのか?と詰め寄る奉行、うろたえるお目付け役、最後は鹿ではなく「犬」だとお目付け役に認めさせて豆腐屋を無罪にする奉行。これらのやり取りが顔の表情、絶妙な間合いで、どんどん話に引き込まれていきました。(ちょっと、細かく書いてしまいました)これまでも、何度も高座は拝見していますが、これからも見ていきたいと思っています。(落語の初心者の方はこちらの師匠の落語はわかりやすいので、ぜひ、入り口として見てみてください)

 

(3) 三遊亭萬窓(さんゆうていまんそう)師匠 「締め込み」

 「締め込み」は、落語に出てくる、やっぱり間抜けな泥棒。ある長屋で空き巣に入り、荷造りをしていると、そこに亭主が帰ってきた。荷造りをそのままに床の下に隠れます。亭主は荷造りをみて、不思議そう。そのうち、これは奥さんが、どこぞの誰かと浮気して駆け落ちをするための荷造りだと思い込みます。腹を立てているところに湯屋に言っていた奥さんが帰ってきます。浮気をしていたのではないかとの疑いが解けない亭主、逆に亭主の方こそ浮気していたのだろうと返す奥さん。二人は別れる、別れないの大喧嘩に。そこに荷造りを作った当本人の泥棒が出てきて、夫婦げんかの仲裁に入り・・・

三遊亭萬窓師匠は、私が一番、見に行っている落語家さんで、この落語会も萬窓師匠のスケジュールで把握しました。お住まいが、私の実家のある板橋のとある私鉄沿線の駅で、たまたま中華屋で一人一杯飲みながら食事をしているところに入って来られて、お話をさせてもらいました。それから、高座を拝見させてもらっていますが、一言でいえば「本格派」な落語をされる師匠だと思っています。奇をてらったことをすることはなく、正当に古典落語の話で笑わせる方だと思います。わかりやすく落語を聞かせてくれるので、落語本来の面白さんを堪能できると思います。(池袋演芸場で独演会「萬窓百景」を今度8月24日(金)にされる予定です。見に行ければと思ってます)

 

(4) 桃月庵白酒(とうげつあんはくしゅ)師匠 「百川」

「百川」は日本橋に実在する料亭の名前です。そこに、新たな奉公人として百兵衛さんがやってきます。こちらは田舎の方で、聞き取るのが難しいほどの方言を話されます。お店では河岸の若い連中が飲んでいて、呼び出しの声が聞こえます。あいにく女中さんがすべて、髪を下ろしてしまい客前に出られない。来たばかりの百兵衛さんがさっそく御用聞きに。御用聞きに来た百兵衛さんのしゃべっていることが分からない河岸の連中がいろいろと憶測をして勘違いをするところや百兵衛さんとのやり取りがおもしろい爆笑系のお噺です。

桃月庵白酒師匠とこの話は合っていると思います。百兵衛さんが白酒師匠そのものではないかという感じで、会場も爆笑に次ぐ爆笑でした。(爆笑であることを説明するのは難しいですが、おもしろかったですねぇ)

ちなみに、枕では季節柄、夏祭りの話をしていて「なんで東京では、あちこちで阿波踊りよさこいを踊るのでしょう?全然関係ないのに」(要はディスっていたのですが^^;)ということで、こちらも会場は爆笑でした。この手の話はテレビではできないでしょうから、やっぱり落語は生で見ないと面白くないよ、と改めて思いました。

なお、昨日は私の住んでいる町でも「阿波踊り大会」があり、行ってきました。これはこれで楽しいし、あれば行っちゃうんですけどね。ちなみにこんな感じです。

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(5) 総評

初めて来ましたが、これだけのメンバーが一席30分の時間で演じるのをじっくり見られる落語会は、なかなか無いと思います。(寄席とかですとトリでなければ15分から20分くらいですので)料金も安いし、かなりお得な会だと思います。お薦めだけど、多くなって予約が取りにくくならなければ良いですが。

ちなみに次回は2018/8/15(水)で時間・場所は同じです。今は予約の留守電を入れているところです。また、行けたら、様子は報告したいと思います。